レストラン・ドミトリーゑん

ブラジルのビーチリゾート・NATALでインド・タイ料理レストランとドミトリーを営む日本人家族の毎日。

のんきなスープ

ブラジルの国土はとても広く、

気候もその土地によって、大きくちがう。

南半球なので、北にいくほど暑くなり、南にいけば寒いのだ。

 

『ブラジル』と聞いて一般的に思い描く

サンバの羽飾りいっぱいのド派手な衣装・常夏、っちゅうイメージは、

リオ・デ・ジャネイロ独特のものであり、

リオから南へ700kmの都市・サンパウロなんかは、気温が一桁に下がる日もある。

あそこは海抜750mの土地なので、

日本で言うところの軽井沢のような感じかな、

5年間暮らしたオレも寒暖差のはげしさに辟易したもんである。

 

で、現在暮らしとるナタール(NATAL)は、

ブラジルの国土を逆三角形にたとえると、ちょうど右はじっこに位置する

大西洋に面した都市だ。

年中暖かい、否、暑い。

 

暑いということは、寒さにおびえる必要がない、ということだ。

寒さというのは、生き物をおびやかす。

ホームレス人口も多いサンパウロだったが、

雪が降らないので凍死者は皆無。

日本はホームレスの人はサンパウロに比べてだいぶ少ないばってん

凍える人はとても多いだろうと想う。

 

 

さて。

そんな常夏のナタール

野良猫も野良犬ものんきに暮らしておる。

気候が温暖だと、人の性格も温厚になるように感じる。

おっとり、のんびり、にこにこしとる人がここいらへんには多い。

野良犬や野良猫に対しても、ぎすぎす追い払ったりせず、

残飯を与え、なでてあげとる。

 

気候が温暖だと、果物や野菜も温厚になるように感じる。

ふっくらもりもり、すくすくと育っておる果物や野菜は

そこらへんにわんさかある。

 

人の土地のバナナをもいでも、叱られることはなく、

わが家にはカジュ(カシューナッツ)の木があるのだが、

近所の子どもたちはオレにことわりもなく、どんどんもいで齧っておる。

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畑の野菜をひっこぬかれたら、どろぼー、っちゅう気持ちにもなるが、

木の実る果物については、誰のモノ、っちゅう考え方をせん。

大地が生きもの全員にもたらしてくれた恵み、くらいに受け止めておるようだ。

 

で、オレも小鳥がつついて穴のあいた木の実を毎日食べておるのだが、

いま最盛期を迎えたカジュの実が、ものすご多くて食べきれん量なのだ。

 

日本でカシューナッツとして認識されとるナッツの部分は、

干しとけば、1、2年くらい保管できるのだが、

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果実の部分は、ほうっておいたらいたんでしまう。

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なので、ジュースにしたり、ペーストにして凍らせて保存したりした。

 

それでもあまるので、

ジャムに挑戦してみた。独特のえぐみが珍味で美味!

そうしてそして、スープにもチャレンジしてみたぞ。

 

鶏ガラスープに、つぶしたカジュの果実を漉したものを

ポタージュ状に。塩こしょうで味付け。

ちょいと生クリームも入れて・・・

りんごのポタージュを彷彿させる美味に仕上ったぞ。

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ふんわり甘くて、のんきで締まりのない味 笑

この土地そのもの、っちゅう味やなぁ。

 

 

 

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